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H.323とは?

H.323とはどういう意味?

Web会議システムの資料を読んでいるとプロトコルという用語にぶつかります。見かける頻度の高い単語ですが、その概念などを説明するのは非常に難しいです。

Web会議システムでよく使われる代表的なものはH.323でしょう。プロトコルというのは、わかりやすく言うと手順や規約などをまとめた約束事のようなものです。

例えば、日本語が母語の人とフランス語が母語の人が会話をする際に、お互いが母語を使うと意味が通じなくなりますよね。そのため、お互いがわかる英語を使いましょうという規約を結び会話を行います。

Webでもこの規約がないと大変なことになります。お互いが自由な基準でデータを送信すると相手が受信できなくなってしまいます。そのため、音声や映像、データの圧縮方式を基準化しておくことで、送信されたデータを受信して確認することができます。

H.323というものは国際電気通信連合にある電気通信標準化部門が勧告したプロトコルの1つです。1996年に策定されて現在までに何度かバージョンアップを繰り返しています。

H.323はデータを効率的に転送できるように開発されたプロトコルです。データをそのまま転送すると大きなものとなってしまうため、小さく複数のものにまとめます。この小さくなったデータをパケットと呼び、これを送ることをパケット通信と言います。

パケット通信をリアルタイムで送受信できるように開発されたものがH.323というわけです。このリアルタイムの確保が大切で、データを小分けにして送ることにより通信速度を安定させることができます。


H.323でなにができる?

H.323は主にゲートキーパーと呼ばれる制御システムが中心です。この制御システムがあるおかげでIPアドレスと電話番号を対応させて記憶・管理でき、相手先への接続を仲介できるようになります。また、通信速度を安定させるために帯域幅を制御させます。

Web会議を含めた音声通信において大切なことは遅延を起こさずリアルタイムで相手と通信できることです。 ある程度以上の水準を常に保つためQoS(Quality of Service)を制御し、データ量が増えたときも通信が途切れないように制御を行ってくれます。

その他、様々なWeb会議システムに必要な付加機能を提供してくれるのがこのH.323に備わったゲートキーパーの役目です。


H.323であれば大丈夫?

H.323があることによって、Web会議システムは常にある一定以上の品質を保ったまま音声通信を行うことができます。H.320というプロトコルを使用している場所であっても互換性があるゲートウェイを仲介することによって通信可能となります。

また、同時期に導入された別のプロトコルであるSIPというものもあります。H.323がWeb会議に焦点を当てているのに対し、SIPはオンラインゲームやファイルの共有などのマルチメディア通信のサポートがあります。

H.323は範囲が制限された使用とはなりますが、仕様が煩雑でないというのが特徴です。

H.323には多くの規格が含まれています。例えば端末を登録したり、呼び出しを制御したりする機能はH.225やH.245を使用しています。データの転送では別の規格、音声の圧縮、動画の圧縮にもそれぞれ違う規格が割り振られています。それをまとめているのがH.323という国際的に勧告されたプロトコルです。

基本的に通信は1対1で行うものですが、MCUと呼ばれる機器を介した多人数の通信を行える機能があります。MCUとはMultipoint Control Unitの略で、この機器のおかげで多地点で音声や動画データを相互にやりとりできるようになります。

また、音声通信で最も大切なリアルタイム性の確保も可能となっているため、H.323を用いた通信であればWeb会議における問題点の多くが許容範囲となります。