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Nat超えとは?

インターネットでは各端末がIPアドレスという固有の値で識別されます。当初は十分と思われたIPアドレス数ですが、普及していくのに伴い数が不足し始めました。

そこでNAT(Network Address Translation)というIPアドレスを節約する手法が考えられたのですが、Nat越え(NAT Traversal)という問題が起こるようになりました。

インターネットを通じて会議を行なうWeb会議システムではNat越えの問題は起こるのでしょうか?この記事ではNat越えについて説明します。

IPアドレスとは?

インターネットにつながっている各端末はIPアドレスという固有の値で識別されています。IPアドレスによって、各端末が通信すべき相手を認識することができるのです。

IPアドレスは32bitの数値データとして管理されています。32bitで表されるIPアドレスの数は、2の32乗=4,294,967,296で、約43億のアドレスを割り振ることができます。

インターネットが広がり始めた頃は十分な数だと考えられていましたが、2010年代に入り接続する端末の急激な増加により、IPアドレスの枯渇が現実の問題となりつつあります。

元々IPアドレスの枯渇を考えていた人たちの間では、1990年代にIPアドレスを管理する領域を128bitに拡張することにより、IPアドレスの数を約340澗(かん)まで増やすことが提唱されていました。

聞き覚えのない数の単位で分からない人もいるでしょうが1澗は10の32乗です。億は10の8乗ですので、この方式に変えると途方もない数のIPアドレスを管理することができます。

以前の方式をIPv4、この方式をIPv6と呼びます。IPv6に変えればIPアドレスの枯渇はほとんど心配不要になりますが、IPアドレスを管理する領域が増えるので、通信機器を全てIPv6に対応する必要があります。

2000年以降から通信機器メーカーはIPv6対応を始めていますが、IPv4の資産が多く残っている現状では一気にIPv6へ以降することは難しく、現在IPv6とIPv4を共存させて徐々にIPv6化している最中です。

NATとは?

IPv6に完全移行するまでに、IPアドレスの枯渇を回避するために考えられた方法の一つにNATがあります。これはインターネットにつながっているIPアドレスを複数の端末で利用する方法です。

「IPアドレスは固有の値じゃないの?」と疑問を持つ人もいるでしょう。これにはグローバルIPとプライベートIPという考え方を理解する必要があります。

インターネット上の各端末のIPアドレスをグローバルIPと呼び、世界中で一つの値に決まっています。プライベートIPというのはインターネットに直接つながっていないネットワークで割り振るIPアドレスのことで、そのネットワーク内で一つであれば問題ありません。

\ 企業などではグローバルIPをインターネットへの接続用アドレスとして使い、自社内のネットワークではプライベートIPを端末に割り振ります。そしてインターネットへの接続を行なうルーターという機器で、プライベートIPとグローバルIPを変換する作業を行ないます。

社内の端末のプライベートIPがa、b、cだとして、インターネット上で通信するときは全てルーターが持っているXというグローバルIPで通信します。このときルーターはa、b、cがインターネット上のどのグローバルIPと通信しているかを憶えており、aがA、bがB、cがCと通信していたとすると、aの通信はA、bの通信はB、cの通信はCに送受信します。

この仕組みがNATです。IPアドレスを節約する方法として広く使われていますが、この方法はプライベートIPによって管理されている内部ネットワークからインターネット上の端末に接続すること、たとえばWebサイトを会社のPCから閲覧することなどを考えており、外部から内部ネットワークに直接接続することは考えられていません。

そのため、オンラインゲームやVPN(Virtual Private Network)などグローバルIP同士の接続を想定しているアプリケーションではNATを超えて通信ができない、いわゆるNat越えの問題が発生します。

Web会議システムはNat越えの問題は起きないのか?

Web会議システムは、Webサイトへ接続することで会議を行なうシステムなので、基本的にNat越えの問題は起こりません。上記で言うWebサイトを社内のPCから接続する行為と同じになります。

同じインターネット上で会議を行なうシステムでも、テレビ会議システムでは通信プロトコル上の問題からトラバーサルサーバーという中継用サーバーを必要とするので、Nat越えに関してはWeb会議システムの方が簡単です。

IPアドレス枯渇の根本的解決はIPv6への完全移行ですが、2019年時点の進捗状況を見ると2060年後半までかかると予想されています。それまではNATを初めとしたIPアドレス枯渇を回避する方法でしのぐしかありません。

Web会議システムはNat越えの心配がなく、IPアドレス枯渇への対応ができる会議システムですので、安心して利用しましょう。