Web会議の基礎知識
更新日:2020.10/23(金)
一般的に電話機などのスピーカーとマイクの距離が近い機械は、スピーカーから出てきた音声をすぐにマイクが収集して相手方に伝えてしまうということがあります。そうなるとまるでエコーややまびこのように自分の声が時間差でスピーカーから聞こえてきてしまい、お互いに相手の声や言葉が聞き取りにくくなってしまうのです。
このような状態を改善するために開発されたのが、エコーキャンセル(エコーキャンセラ)と呼ばれる技術です。エコーキャンセラは、音声の出力を音響装置に拾われてしまうことを防ぐことができる技術または装置のことを言います。
具体的にはどのような技術なのかというと、コンプレッサーのようにマイクの感度を下げることで相手からの音声を受信している際には音を拾わないようにしたり、収録された音声信号やデータからエコーに由来するものを同定して除去する機能を搭載しているようです。基本的には後者の機能をエコーキャンセラと呼称しますが、どちらの機能も搭載したエコーキャンセラも増えてきています。
エコーキャンセラを導入する最大のメリットは、エコーやハウリングを予防することができる点です。電話対応やWeb会議などのように音声による対話が必須とされるものでは、エコーやハウリングがたびたび発生すると円滑なやり取りが難しくなります。
またエコーやハウリングの方に意識が向いてしまうので会話や会議の内容に集中できないという弊害も起こりやすく、こちらも会話や会議が円滑に進められなくなる可能性が高い要素の一つです。
エコーキャンセラはこのような問題を解決することができるため、例えば複数の人たちが同時に会話をしたとしても聞き取りやすくなります。また聞き間違いを予防することができますし、エコーやハウリングによる雑音に意識が向かないようにできることから会話や会議に集中しやすい環境を作り出すことも可能です。
ほかにもエコーキャンセラの種類によっては専用の機械を導入する必要がないため、コストを抑えたい場合にも手軽に導入を検討することができると言います。このような点から、特に複数の人たちが参加して議論するWeb会議での導入は必須だと考えられているのです。
このようにエコーキャンセラは使用することでエコーやハウリングを予防できるため、円滑にWeb会議を進める上では欠かせない技術なのです。ただしエコーキャンセラを導入すれば確実にエコーやハウリングが起きないというわけではなく、あくまでも予防対策の一つとして導入を検討するべき技術だと考えると良いでしょう。
例えばエコーキャンセラを導入するマイクを利用していたとしても、PCに内蔵されているマイクも同時に起動した状態だとPCに内蔵されているマイクがエコーキャンセラを導入していなければエコーやハウリングは起きてしまいます。
また同時に2つ以上のマイクを利用するとエコーやハウリングが起きやすくなり、エコーをほかのマイクが拾ってさらにエコーが起きてしまうというループの発生原因にもなります。
またマイクに近付いて会話をすると、どんなにエコーキャンセラでエコーやハウリングを予防してもそれ以上の音声をマイクが拾ってしまうのです。結果としてエコーキャンセラの機能でもノイズを除去できずにエコーやハウリングが起きてしまう可能性があるため、注意が必要だとされています。
これらの点から、エコーキャンセラを利用しても100パーセントエコーやハウリングが予防できるわけではありません。そのためエコーキャンセラはあくまでもサポートとして考え、Web会議が円滑に進められるように対策を検討することが大切です。
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