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挿したらオフィス
ニュース&トピックス|ある役所での災害発生時の動きをシミュレートしてみました

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  • 2016年01月28日 スタッフ日誌
  • 台風直撃 そのとき災害対策本部は
  •  某月某日15時頃、北マリアナ諸島沖北西500kmの海上で発生した台風は急速に勢力を拡大。発生から24時間後には中心気圧964hPa最大風速47m/sの非常に強い大型台風へと成長した。当初沖縄付近を通過して東シナ海へと抜けるものと見られた台風は大きく北東へ逸れ、九州南部、四国に大雨を降らせながら紀伊半島へと迫っていた。

     紀伊半島の中腹に位置するH市役所では、大雨や台風の接近・上陸が予測される際には必ず災害対策本部を設置する取り決めがなされていた。本部設置の際には遠隔会議システムが起動され、本部と支所を結ぶ危機管理ネットワークが形成される。危機管理ネットワークの中枢を成すのは整備された災害対応マニュアルと防災地図だ。過去の災害記録を登録した防災地図のデータはマッピングツールで共有され、重点管理地域の把握に役立つものとなっていた。洪水、土砂災害のあった地域、それに独居老人の割合が多い地域や別荘地なども重点管理地域とされた。

     災害対策本部はしかし、警報や避難勧告を出すことには極めて慎重だった。警報発令には常に「警報慣れ」の恐れが伴う。用心や避難をしても被害が発生しなかった、という状況が繰り返されれば住民は警報や勧告に注意しなくなるだろう。台風を例に取れば、日本近海では一年間に平均で26の台風が発生する。そのうち日本から300km以内に接近して風雨の被害をもたらすものは約11。上陸するのは約3。*1 実際にH市にも影響が及ぶものは2、3といったところだが、台風情報では発生する台風の半数以上でH市が予報円内に入る。その度に警報を出す訳にはいかない。そして言うまでもなく、慎重になるあまり警報が発令されていなかったのに災害が発生した、という状況も避けなければいけない。発令の有無はひとえに市長の判断にかかっていた。

     今回の台風はどうか──。

     市長を始めとする職員は台風情報を注視していた。台風の進路予想図は72時間後の予報円をH市の真上に表示していた。それから24時間経過し予報円が狭まっても中心はやはりH市だった。台風は予報どおりの進路と速度で移動していた。やがて九州南部で大雨のニュースが入り、四国各地での大雨と暴風の被害が伝えられると、H市職員はみな覚悟を決めた。

    「まだ台風直撃まで24時間ほど猶予があります。防災行政無線、防災メール、SNSで住民の皆さんに対策を呼びかけます。支所の職員は担当区域内の指定施設に避難所として解放する準備を指示。それが済み次第、危険区域に住む自力避難の難しい住民への個別訪問を開始してください。基本的には友人や親戚に迎えに来てもらうように。難しければ避難所や支所に直接連れ帰って構いません。それでは皆さん、行動を開始してください。」

     市長は館内放送システムと遠隔会議システムにつながれたマイクに第一声を発した。その号令でH市役所は一斉に動き始めた。初動に分担のないものは建物の窓ガラス、塀の補強や雨どいの清掃、屋外の観葉植物や飛来物になりそうなものの撤去に走った。H川を望む高台に位置するN支所では水位観測のため望遠鏡が設置され、堤防の水位計を読み取る準備がなされた。また各支所には雨量計の備えもあった。この雨量計が吐き出す一時間毎と累積の降雨量が土砂災害の危険度を知らせる。

     警戒態勢に入ってから半日が経過した。気象庁から紀伊半島南部全域に大雨・洪水・波浪警報が発令された。そのとき市役所の窓の外で、添え木をされたポプラが突風に揺れた。パラパラと大粒の雨が窓をたたき始めた。


     そしてさらに、24時間が経った──。


    「N支所です。H川の水位が下がり始めました。」

    「本部了解しました。まだ上流での降雨は続いているようです。安全水位に下がるまで引き続き注意をお願いします。」

    「N支所了解しました。監視を続けます。」

     仮眠から戻った市長に報告する職員の声は弾んだ。

    「N支所から連絡がありました。H川の水位が下がり始めたそうです。」

    「そうですか。ご苦労様。どうやら峠を越えたようですね。今回の被害は結局......。」

    「現在報告を受けているものとしては、看板、塀の倒壊が3、小規模のがけ崩れが1あります。いずれも怪我人は出ていません。それとは別に一人怪我人の報告がありましたが......。」

    「ほう。それはいったい?」

    「避難所から忘れ物を取りに帰ろうとしたおばあさんが転んでひざを擦りむきました。」

    「なるほど。」

     頷いた市長の顔にいつもどおりの笑顔が戻った。

     今回の台風は紀伊半島上陸とほぼ同時に勢力を弱め、被害はごく軽微なものに留まった。台風の唐突な弱体化を予測できる団体はどこにも存在しなかったが、それを責める住民もいなかった。避難所のなかには気の緩んだ住民の持ち込んだ酒で宴会が始まるところもあったという。しかしそれも、泊り込む他の住民を慮ったごく控えめなものだった。市職員、また避難所を監督した職員には結果的に徒労に終わった災害対応だったが、滅多にない住民とのコミュニケーションを楽しんだという前向きな声もなかには聞かれた。

    「市長、せっかく整えた危機管理ネットワーク、なかなか活躍しませんね。」

    職員は皮肉とも取られかねないそんな声を市長にかけた。自らの失言に気づいたのか、やや後ろめたそうな表情を浮かべた職員を市長は振り返った。

    「そうですね。つまり、最良の結果です。」


    1* 日本気象協会「台風の予想進路の見方」
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