Web会議の基礎知識
更新日:2022.09/27(火)
「リージョン」という言葉を耳にしたことはありますか?
全く聞いたことがない方もいらっしゃれば、結構気にしているという方もいらっしゃると思います。
この記事では、そもそもリージョンとはなんのか、そして、Web会議システムを選ぶ際にリージョンを気にする必要があるのかどうか、わかりやすく解説していきます。
リージョンとは、Web会議システムをはじめとしたクラウドサービスで利用するデータセンターの所在地のこと。
日本リージョンであれば、日本国内のどこかにデータセンターが存在していますし、東日本リーションであれば、東日本のどこかにデータセンターが存在しているということになります。
リージョンはそれぞれ完全に独立運用されていて、複数のリージョンがある場合に、1つのリージョンで障害が発生しても、他のリージョンには影響が出ないようになっています。
さらにリージョン内には、ゾーンと呼ばれる運用区画が存在し、プライマリー、セカンダリーと複数のゾーンが用意されているのが一般的です。ゾーンもそれぞれ独立運用されていますが、リージョンとは異なり、同じリージョン内のゾーン同士は、相互接続されています。
クラウドサービスを利用する場合、基本的に、利用場所からの物理的距離が最も近いリージョンに接続します。というのも、接続端末とリージョンが離れれば離れるほど、遅延が発生しやすくなるためです。
と、ここまでが、リージョンの基礎知識。
いろいろと説明しましたが、Web会議のユーザーレベルでは、〇〇リージョン=〇〇にあるデータセンター(サーバー)という認識で問題ないと思います。
Web会議においてリージョンが意識されるようになったきっかけは、おそらくZoomでしょう。
2020年3月末に、Zoomのセキュリティやプライバシーの問題が次々と出てきたのを覚えている方も多いのではないでしょうか?
その中に、人為的ミスによって、日本やアメリカで行われた一部のWeb会議が、中国リージョンに接続されたという問題がありました。
日本国内でZoomを使用した場合、通常であれば、まず日本リージョンに接続され、混雑していたらアメリカリージョンへ、そこもダメなら、中国以外の近隣の国のリージョンへ接続されることになっているそう。
日本やアメリカのWeb会議で中国リージョンを避ける理由は、検閲と称して、Web会議の内容を中国政府に覗き見されるのではないかという懸念が人々の間にあるからです。
この問題は、2020年4月2日に『Zoom』のユアンCEOがブログを投稿した時点で、既にジオフェンシングの実装によって解決しており、現在は、事前に接続を許可したアカウント以外は、中国リージョンへ接続されないようになっています。
この問題があったからなのか、Zoomでは、有料のアカウントに、リージョンを選択できる機能が実装されています。
プロ、ビジネス、エンタープライズ、教育のアカウントのオーナーや管理者は、オーストラリア、カナダ、(中国)、ヨーロッパ、香港、インド、日本、南アメリカのどのリージョンに接続するかを選択することが可能です。
ちなみにアメリカは、万が一選択したリージョンが混雑していた場合のセカンダリーの役割があるため、接続先から外すことができません。
では、9つのリージョンの中から、どれを選択するのが良いのかという話ですが、基本的に、どうしても繋ぎたくない場所を除外するのがベストです。
よく、〇〇リージョンに接続したら快適にWeb会議が行えたという話を耳にしますが、それはおそらく偶然。時差の関係で現地がちょうど深夜だったなど、たまたまそのリージョンが空いていたからという程度の理由にすぎません。
冒頭でもお伝えしたように、基本的には物理的距離が近いリージョンに接続した方が遅延が発生しにくいため、まず、日本リージョンは外さないこと。そして接続先が少なくなるほど、混雑していた場合の逃げ場が少なくなるため、どうしても繋ぎたくない場所だけを外し、なるべく多くのリージョンを選択しておくのが良いのです。
もしも、リージョン選択機能だけを目的に、無料アカウントから有料アカウントへの切り替えを検討しているのなら、ただのコストの無駄になってしまうため、やめた方が良いと思います。
WebRTC=リアルタイムコミュニケーションってどんな技術?
WebRTC技術を使用したWeb会議システム比較表付
IT製品の安全性を調べているとよく耳にする
‟WebRTC、P2P、NAT、ICE、SFU‟の仕組みと安全性についてわかりやすく解説!
これを読めばIT製品比較し易くなること間違いなし!
どちらかというと、公開しているZoomが特殊な例で、一般的には公開されていません。
法人で契約をする際に、セキュリティなどの都合で特定のデータサーバーにのみ接続するといった条件を付けている場合は、接続先を指定するために公開されることもあるようですが、こちらも特殊なパターンなので、この話は置いておきます。
ここで1つお伝えできるとすれば、日本のWeb会議システムのベンダーは、そのほとんどが東京にのみデータセンターを置いていて、東西の区別をすることもなく、日本リージョンただ1つで運用しているということでしょう。
断言します。ありません。
Zoomのように、複数のリージョンを有している場合でも、日本国内のWeb会議の場合は、日本リージョンへの接続が優先され、混雑している時は、自動で近くのリージョンへ振り分けられます。
有料のWeb会議システムを利用していても、接続先のリージョンが公開されたり、指定できたりというのは稀で、無料のWeb会議システムでは、まず接続先はわかりませんし、変更などもできません。
本当にリージョンが気になるなら、日本国内でのWeb会議は日本のWeb会議システムで、海外とのWeb会議はZoomのようなグローバルなWeb会議システムでと、使い分けるのが良いのではないでしょうか?
日本のWeb会議システムであれば、基本的に、日本リージョンしかありませんから。
国産のWeb会議システムであるFreshVoiceは、もちろん、日本リージョンで運用しています。日本国内のWeb会議で、ZoomやTeamsなど海外ベンダーの製品を利用している場合は、FreshVoiceやLFVヘの乗り換えを検討されてみてはいかがでしょうか?
当ホワイトペーパーだけ!好きな製品を追加して検討できるExcelシート付
人気の有料Web会議システム4社を徹底比較!価格や機能の違いが一目でわかる!
こんな人におすすめ
Web会議システム導入担当者の強い味方になる資料です!
是非ダウンロードしていただき、ご活用ください。
関連記事