Web会議の基礎知識
更新日:2022.06/10(金)
『5G』とは、「第5世代移動通信システム」のこと。携帯電話、スマートフォンなどの通信に用いられる、通信規格の5世代目です。
第5世代なので、もちろん、第1〜4世代もあります。ここで簡単に、通信規格と、携帯電話、スマートフォンの歴史を振り返ってみましょう。
日本の歴史の中で、携帯電話が初めて登場したのは、1979年です。この時の通信規格が、第1世代。1Gはアナログ回線のため、携帯電話は、文字通り携帯できる電話でしかありませんでした。
第2世代が登場したのは、1993年。2Gからはデジタル回線となり、携帯電話で、メールやインターネットが利用できるようになります。
ネットワークの利用が広がったのは、2001年の第3世代登場からです。2Gでは2.4kbps~28.8kbpsだったのが、3Gでは384kbps~14Mbpsのデータ通信が行えるようになり、『Yahoo!』を使った調べ物やブログ、掲示板への投稿など、パソコンとほぼ同じレベルのインターネット利用ができるようになりました。
そして、この第3世代の間の2004年に、スマートフォンが初登場。2008年の『iPhone 3G』の日本上陸をきっかけに、フィーチャーフォン、いわゆるガラケーの時代から、一気にスマホの時代へと突入していきます。
現在主流の第4世代が登場したのは、スマートフォンのシェアが拡大した2010年。4Gでは、50Mbps~1Gbpsの通信速度を実現し、UnityやUnreal Engine 4などを使用したハイクオリティなゲーム、YouTubeやNetflixといった動画コンテンツをスマホで楽しめるようになりました。
4Gの登場から10年。『5G』のサービス開始で、世の中は、スマートフォンのサービスやコンテンツは、Web会議システムはどう変化していくのか。『4G』から『5G』へ変わるメリットを踏まえて、予想してみたいと思います。
目次
総務省の総合通信基盤局が、平成31年4月に公表した「第5世代移動通信システム(5G)の導入のための特定基地局の解説計画認定(概要)」によると、通信事業各社のサービス開始時期は以下の通り。
通信事業会社 | サービス開始時期 |
NTTドコモ | 2020年春 |
KDDI/沖縄セルラー電話 | 2020年3月 |
ソフトバンク | 2020年3月頃 |
楽天モバイル | 2020年6月頃 |
おおよそ、2020年春にはサービス開始予定となっています。
しかし、2020年1月現在、日本では5G対応スマホは発売されていません。サービス開始時期に間に合わせたいというメーカーもあるようですが、早くリリースできるメーカーで2020年夏、ある程度機種が出揃うのが2020年秋冬というのがリアルなところではないでしょうか。
そのため、2020年春に『5G』のサービスが開始されても、多くの人が実際にスマホで『5G』を体感できるのはもう少し先になるのではないか、と予想しています。
『5G』のキーワードは、「高速・大容量」「低遅延」「同時多接続」の3つです。
『4G』と『5G』を比較するこのようになります。
4G | 5G | |
通信速度・容量 | 最大1Gbps | 最大20Gbps |
遅延時間 | 10ms | 1ms |
同時接続数 | 10万台/平方km | 100万台/平方km |
なんと、通信速度・容量は20倍、遅延は1/10、同時接続数は10倍。
この数字から一番わかりやすいメリットは、スマホでの通信が非常に快適になることです。通信速度が向上し、遅延がなくなり、混雑もなくなるのですから、4Gと比べてかなりスムーズな通信を行うことができるようになります。その結果、4Kや8Kといった超高画質動画も、スマホで鑑賞できるようになるでしょう。
また、ほぼリアルタイム通信ができるので、VRやAR技術を使った新しいサービスが増えたり、自動運転やスマートファクトリーといった分野の発展も見込めます。
さらに、多数のIoT機器がネットワークに繋げられるようになり、スマートシティ計画も進んでいくのではないでしょうか。
『5G』の導入が進み、ある程度標準化されることで、スマートフォンの枠を超えた、ネットワーク関連の技術全般が飛躍的に進歩すると考えられます。数年後には、高度にデジタル化された近未来SF映画の世界が、現実のものとなっているかもしれません。
WebRTC=リアルタイムコミュニケーションってどんな技術?
WebRTC技術を使用したWeb会議システム比較表付
IT製品の安全性を調べているとよく耳にする
‟WebRTC、P2P、NAT、ICE、SFU‟の仕組みと安全性についてわかりやすく解説!
これを読めばIT製品比較し易くなること間違いなし!
『5G』が標準化される頃には、もはやスマートフォンですらない可能性も無きにしも非ずですが、そこは一旦置いておいて。ここからは、先ほどの『4G』から『5G』へ変わるメリットを踏まえた、スマートフォンの未来、主にサービスやコンテンツの部分について、勝手に予想していきたいと思います。
高速・大容量通信、同時多接続が実現することで、現在、上限が設定されているスマホのデータプランが、基本無制限になるのではないかと予想。また最初のうちは、『5G』対応のスマホの方が、『5G』非対応のスマホと比べて基本料金が高くなる可能性が高いですが、時間の経過と共に値下がりしていくのではないかと考えています。
この未来が訪れた場合、現在のいわゆる格安スマホは、いったいどういう立ち位置になるのでしょうか。気になるところです。
『4G』から『5G』へ変わるメリットでもご紹介したように、4Kや8Kといった超高画質動画をスマホで鑑賞できるようになると考えられます。その結果、新たな動画配信サービスなどが登場し、インターネット上の動画コンテンツが、さらに充実すると予想。インターネット広告も、リスティングやバナーから、動画CMが主流になっていくのではないでしょうか。
現在のVR動画やARは、すべて事前に専用のコンテンツとして制作されたものです。また、基本的には、端末にデータをダウンロードしてから利用されていると思います。しかし、『5G』のサービス開始によって、高速・大容量通信と遅延時間の短縮が実現されることで、このVRやARが、ライブ配信などにも対応していくと予想。例えば、スポーツ中継や生放送の歌番組などがVRで視聴でき、まるで会場で観ているような感覚を味わえるというサービス、あるいは、まるで自分の部屋に配信者がいるように見えるライブ配信プラットフォームなどが登場するのではないでしょうか。VRやARの機能を使った、リアルタイムに空間を共有するという新しい体験が期待できます。
今度は、Web会議システムが、『5G』によってどういった変化を遂げていくのか考えてみましょう。
まず、現実的なところで、主流の製品タイプが、スマホアプリやブラウザ型になると予想。
現状、Web会議といえば、ソフトウェアやアプリをパソコンにインストールする製品が主流で、光回線に接続して行うというのが最も一般的だと思います。スマホやタブレットでWeb会議を行うのは、外出中など必要に迫られた時のみで、その際も可能な限りWiFiに接続しているという方が多いのではないでしょうか。
しかし、『5G』のサービスが開始されると、パソコンから光回線のIPv4 PPPoE接続を利用するよりも、スマホやタブレットから『5G』を利用する方が、高品質なWeb会議を行うことができるという状況になる可能性が高いと考えています。
光回線をIPv6 IPoE接続に切り替えるよりも、『5G』に対応したスマホやタブレットにWeb会議アプリをインストールしたり、インストール不要のブラウザ型Web会議を利用する方が簡単だと思いますので、必然的に、スマホやタブレットからWeb会議を利用する人が増えるのではないかということです。
それこそ、上の項目で予想した通りに、無制限のデータプランが基本になる未来が訪れた場合には、通信容量も気にする必要がありませんで、ますますスマホやタブレットに寄っていくことが想像できます。
また、もう一つ、VRやARを使って仮想空間で行う、超リアルなWeb会議が実用化されると予想しています。
会議室に人が集まってMTGをしていると思いきや、実は、他の参加者たちは遠隔地にいて、ゴーグルを通して会議室の座席に座っているように見えていただけ、というバーチャル会議がとある映画に出てくるのですが、まさに、コレ。
『5G』が標準化されたら、そう遠くない未来に、このようなWeb会議システムが登場するのではないでしょうか。その時にはきっと、Web会議システムという呼び方ではなく、新しい名前が付けられていることでしょう。
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